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俊敏無影
元素反応を起こした後の12秒間、元素熟知+60。月兆・満照:上記の元素熟知アップ効果がさらに+60。装備したキャラクターが待機している場合にも効果を発動できる。
使用キャラクター — 弓
物語
この世に誰も逃れられない罠などほとんどない。丁寧に織られた編みにも、糸の通る隙間はある。 人を死地に追い込もうとする仕掛けにも、その鈎と牢の間には一筋の勝機が隠れている。 同じように、心を完全に閉ざすことを望む人など、この世にはおらず、どれほど警戒していても解かれる隙があるのだ。 幼い頃から宮廷で育ったフェイにとって、こびへつらいの言葉は仕掛けより百倍恐ろしい。 貴族たちは人々の物を不当に奪い続けるため、集めた財宝に幾重もの罠を仕掛けた。 ここから生きて帰れる者は誰一人としていない——そう思いこんでいたものの、器用なフェイは一度たりとも失敗しなかった。 複雑な構造ほど脆い箇所が生まれる。 タイミングさえ見計らえれば、どんな障害でも乗り越えられるのだ。 こうして、「さすらい者」の異名は広まった。彼が高貴な出自であることを知る者は、誰もいない。 冗長な礼節の儀と虚飾に耐えながら、彼は王や貴族たちが人前に出さず、大事にしまっている秘宝を盗み去った。 その一生は冷静で控えめ、何事にも左右されないはずだった。しかし—— 「ちょっと!あんたいつも隠れて回ってるわよね!できるもんなら、あたしと一緒に大公のパーティーに出席してみなさいよ!」 「あんたとあたし、どっちが先に公爵の秘宝を手にいれられるか、勝負なさい!勝った人だけが大盗賊の名を継承できるわ。」 「でも、忘れないで。負けたら貴族の金銀財宝を本当に必要とする人にあげること。それこそが大盗賊のやり方よ。」 面倒事から逃げる術に長けたフェイは関わろうとしなかったが、パーティーで高位の者に対し、せせら笑いを浮かべた少女を見つけた。 彼女はうまく貴賓を装っていたが、おべっかに染まらないその姿のせいで、一目で彼に正体を見抜かれた。 彼が「ブレードブレーカー」の挑発を受けるのは勝敗のためではなく、彼がこの世で滅多に見られぬ「素顔」のためだった。 策を破るよりも、最初から策に落ちないほうが優位に立てる。故に、狡賢いフェイがいつも一枚上手だった。 しかし、怒りに満ちた少女は敗北を認めようとはしなかった。今回、彼女は貴族の最大の栄誉を奪おうとしていた。 彼女は女皇が授けた宝を盗み出し、貧しい子供たちに贈った。そして、勝利を確信した。 しかし、少し離れたところにいたフェイは微笑みながら、子供たちのボロボロになったの布のおもちゃを貴族の展示棚に戻した。 除幕式では、少女も貴族と同じように驚いた。勝者は明白だった。 しかし貴族たちも、これ以上下賤な者による挑発を許さなかった。今回、逃れられない罠を仕掛けたのだ。 宝物を盗んだ者と、おもちゃを入れた者が別だと思う者はいない。フェイは自ら罠に飛び込み、全ての罪を背負った。 彼はフェイの名門出身者であったため、その処刑は公表されず、最後の願いをする権利も貰った。 沈黙していたフェイは、ようやく口を開いた。「私の墓には、空の棺桶を入れてください」——その願いは、なんと聞き入れられた。 フェイは微笑み、高い壁から永遠の静寂へ向かって跳び込むことで、生殺与奪の権を高位の者の手から盗み取った。 しかし、その「さすらい者」という名の泥棒は、結局死の影から逃れることはできなかった。 この世に誰も知らない秘密など、ほとんどない。その秘密を墓までもっていかない限りは—— 「親愛なる友よ、この謎を貴方が一生解けないことを願う。」