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琅玕演義
防御力+20%。装備者が元素スキルを発動した後の5秒間、月結晶反応によるダメージ+64%。
使用キャラクター — 片手剣
物語
幾重にも重なる岩壁を抜けた先で、古文書にも記されていない山間に隠された泉が、ついに夕暮れの光と暗闇の狭間にその姿を現した。 砂を採掘する部族にのみ伝わる言い伝えによると、かつて流光で剣を鍛えた仙人が、淵底の水月に身を隠したという。 仙人の痕跡を探して幽谷へと足を踏み入れた少女は、登山用の下駄を履き、松の木々の間から慎重に飛び降りた。 辺りに人影はなく、ただ月光が狭い隙間から流れ落ち、竹の幕の向こうにおぼろげな幻影を映し出していた。 「今は昔、天衡いまだ定まらず、海の波寧らかならざりし時代に一国あり。その名も琅玕国、西海の果てに在り。」 「黍を焚き、豚を割き、土と草で成した鼓を用いて、民は天神を敬い仕え奉りき。」 「天人降り立ちて、民に五穀豊穣の業と、績み麻を教えけり。」 「曰く——さすれば天の如くに、この国は栄えん。福大いに顕れ、末永く地と共に在らん…と。」 かつて岩王と肩を並べた巨龍でさえ、最後には時間と言う刃からは逃れられず、人の栄えた国土を蹂躙することとなった。 山の民は先祖より伝わる武器を手に取り、王に仕える夜叉の旗のもとに集い、天より降りし災いに抗うほかなかった。 厄災を救う宝剣を求め、断崖と晶砂の娘は、太古の唄をたどって、洞窟の中の故国へとたどり着いた。 銀に光る影は少女の来意を知ると、まるで嘲笑うかのように、月下の清泉と共に波紋を広げた。 「ああ、天道に常なく、何れもこれを知り難し。禍福は相寄り、何れもこれを測り難し。」 「其の時、東天より彗星降り、西境に墜つ。故に家国大いに乱るる…」 「遂に天は虚海に傾き、地は鯨淵に落つ。生民悉く絶え、社稷災いに離れざるを得ず…」 「繁花錦を飾るも、所詮は鏡中の花、水中の月。常しえの栄華を願えど、得られるすべはなし。」 山間の砦も、いつの日か碧色の遺跡となり、商人の手の中にある琉璃晶砂へと変わってしまうのかもしれない。 しかし少女にとって、それは百代も後に茶の間に語られる噂に過ぎず、今日考えるべきことではなかった。 影の中の人は、岩壁に生えていた細い竹を伸ばした。やがて折れた竹の先端は、地面に落ちる前に少女によって受け止められた。 「三日月の含光は影を逐い、形を追う。構うべからず、既に剣の極意は得しものなり。其の形は求めずともよし。」 そうして、少女はその剣術を以って百人の精鋭を育て上げ、岩王帝君に従って巨龍を討伐し、和平をもたらしたと伝えられている。 妖気が消え去り、天下も平穏を取り戻すと、かつての勇猛な部族の民は盛露庁で細かな利益に執着する商人となった。 今となっては、晶砂で焼成した見事な磁器を売り捌く時にだけ、はるか昔の定かでない逸話が顔を見せる。 山々は黙し、港街の上に高くかかる冷たい月だけが、千年前と変わらず、全ての川々を照らし続けている。