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水上にたなびく霞
元素スキル発動後の12秒間、元素熟知+52。この効果は最大2層まで重ね掛けでき、継続時間は層ごとに独立してカウントされる。
使用キャラクター — 片手剣
物語
その頃の少年は、まだ奇門占術の開祖として尊ばれてはおらず、「万象風角霊官」の名も世に知られていなかった。 何ものにも縛られず、市井をさすらっていた彼は、時に風を折って符とし、時に酒を注いで陣を成し、宴席では軽薄で放埒な振る舞いを人々に見せ続けていた。 世の薄情さを見透かしたつもりでいた。万象の真理など、指先の戯れに過ぎない。 自分の類まれなる天賦の才をもってすれば、このくだらない世の中を気ままに渡り歩き、世の悲喜交々を笑い飛ばせるはずだと思っていた。 四方を漂泊する年若き方士はそうしたわけで、連山二賢の銅鏡を盗み出したり、山野を横行する賊に天誅を下したりと… 善悪を問わず、心の赴くままに振る舞っていたのだった。 そんなある夜、魍魎の咆哮がとある村の安寧を切り裂いた。 この地を通りかかった少年は、造作もなく嵐を呼び寄せ、邪鬼を燃やして灰にした。 さらに妖をも斬り伏せたが、放埓な性格から、助けたばかりの村人にお茶らけてみせた。 依然として鳴り止まぬ轟雷の中、突如として銀光が落ちた。そして、絹がたなびくような光をまとう白い玉のように美しい翼と、 霊鳥のように澄んだ瞳を持つ美女がふわりと舞い降りて、彼の軽薄な振る舞いをぴたりと遮った。 後世に桃都三妖の一人として尊ばれる玄鳥は、少年が天賦の才を浪費していることを嘆いた。 森羅万象を計算し占う途方もない力を抱きながら、それを俗人と戯れるための玩具としてのみ扱っていることを嘆いた… 一方、これまでこんな屈辱を受けたことのなかった少年は、剣を手に取り、高みにいる仙影にまっすぐ突き付けた—— 「この私がそなたを恐れるとでも思ったか?よく聞け。私は——」 「生まれついての放蕩者、人の世を巡りて十余年。父も母もしがらみもなく、ただ酒と花と剣の煌めきのみを友とする。」 「深夜には符の炎で星々を燃やし、百里の春風を錦の袋にしまう。奇門を外道と侮るなかれ。私が修むるは太上の正法なり。」 「百花の間で金丹を練り、真火を夢のうちに潜ませている。酔いに任せて祝いの青詞を書きなぐっては雷将を従え、笑いながら仙女と美酒を酌み交わすのだ。」 「私の術には七天四聖も慌てふためく。二、三枚の紙に律を吹いて符を描けば、絶雲の仙人たちも肝を潰すであろう。」 「美女の身体は修行の器で、花街の朱楼は道場だ。錦の帳の奥で春の限りを楽しんでは日の短きを惜しみ、澄んだ笛の音色で果てなき風を呼び寄せる。」 「この道を阻むと言うならば、たとえ白髪の老婆であろうと容赦はせぬぞ。三魂七魄を捕らえ、そなたもろとも炉で黄金に煉り上げてくれよう!」 「言いたいことはそれだけ?」 柔らかな囁きが銀白色の月光のように降り注ぎ、雲を崩し岩を裂くほどの仙威が満ちた。 符と剣が交錯する。天賦の才を自負する若き方士は、ついに玉翎の光に敗れた。 しかし、深い穴に落ちた幼い獣のように踏みつけられながら、少年の瞳にはどうしてか、新たな炎が燃え上がっていた。 意外なことに、そんな状況になっても、銀の羽を持つ美しい仙人は怒ってはいないようだった。それどころか、彼を助け起こしてこう言った。 「本当は善いことがしたいのでしょう?どうしてならず者の振りをするの?」 「私と一緒に各地を巡りましょう。この世には、もっと美しい景色があるのよ。」 「婆め、偽善的な態度だな!私は堂々たる彦士だ。火を起こし雷を使う術に通じぬものはなく、星を呑み月を喰らう法に知らぬものなどない。そなたの童僕になど、誰がなるものか!」 そんな毒舌を吐きながらも、少年は立ち去らなかった。 「婆」と呼んだことでまた引っ叩かれたからではない—— その冷ややかな瞳の中に、久方ぶりの慈愛を見たからだ。 それは書物に記された母の庇護のようでもあり、それから… …… 「それから、なあに?」 それはもう何年も後のことだった。銀の灯りの下で、彼女は好奇心から彼にそう尋ねた。 かつての性分なら、傍若無人で軽薄な奇門の祖は、笑って色恋めいた軽口の一つでも返していただろう。 しかし彼は、喉に何かがつかえたかのように言葉に詰まってしまった。数多の文字を知り尽くしていながら、戯れの一言すら紡ぎ出せない己に愕然とした。 はっと我に返った時、灯火はすでに消え、机上には手つかずの冷酒だけが残り、残魂に寄り添っていた。 ——またこんな夢か。また一年が経ち…月は満ちたというのに、いまだ彼女は帰ってこない。 ならば、夢の中で待ち続けよう。こうして待ち続ければ、いつか、いつの日か…