血染めの鉄の心
生の花
血に黒く染められ、鋼鉄のように硬くなった花。過去の持ち主にとって、記念品の一つかもしれない。
物語
助けられた仕女が騎士の胸の前につけてあげた花。元は真っ白な花であったが… 殺戮の中、血に染まっては乾きを繰り返すうち、やがて黒く硬く変わり果てた。 遊侠の騎士が初めて魔物を倒し、仕女を助けたとき、 騎士は謝礼を断り、代わりに仕女から真っ白な花をもらった。 「騎士道の実践こそが、騎士の報酬。」 「褒賞はこの花だけで十分だ。」 その日以来、一度も外されることのなかった花は、幾度となく血に染まり、 騎士の銀色の兜と共に、冬夜のごとく黒く、 騎士の心と共に、焼き抜かれた鉄のごとく硬くなっていった。